多くの低価格3Dプリンタは1種類のプラスチックを吐出して造形するわけですが、ある程度お高い機種になると複数のプラスチックを同時に吐出せます。これにより2色以上のプラスチックを使って物を作れたり、異なる素材のサポートなんかを使えるようになるわけです。これを実現するにはヘッドやエクストルーダーが複数必要になるので重くなります。デルタだとちょっと厳しいかなーということでMendelMaxの方を改造してみました。
実際に試してみるまでは二つのノズルの高さをあわせるとか、位置関係をしっかりキャリブレーションすればいいんだろうと思ってましたが、全然違いました。全然違いました。大事なことなので2度言います。
まず、ハードウェア面ですが、ステッピングモーターをXYZ以外に2つ動かせる、ホットエンド二つとベッドを加熱、さらにファンをコントロールできるコントローラーが必要です。RAMPSは最後のファンをコントロールと言うところで引っかかります。別途拡張基盤を用意する必要がありますが最近は安価に売られているので買ってしまうのも手です。私は買いました。
エクストルーダーをMiniExtruderにするとNEMA14モーターが使えるので軽量、省スペースになります。空いた所にBowdenタイプのホットエンドをもう一個無理やり搭載しちゃいました。予想外だったのはJ-Headのサイズ。同じType Vでもロットによって微妙にサイズが違うらしく、二つのノズル先端の高さがピッタリ同じにならない…。画質が低くて分かりにくいですが1枚目の写真にスペーサーに使ったワッシャーがちらっと写っています。
次に問題となるのがファームウェア。Marlinは複数のエクストルーダー対応を謳っていますが不完全です。エクストルーダーのステップ/mmが全エクストルーダー共通の値しか設定できません。サイズが完全に一致したホブドボルトやドライブギアを用意する必要があり、使い物になりませんでした。
Repetier-firmwareはエクストルーダー一つ一つのステップ数を独立して設定できるため、複数エクストルーダーを使う場合はこちらの方が便利です。Marlinしか使ったことがなかったのでちょっと戸惑いましたが、何とか設定を終了。
そして最後にして最大の問題点がフィラメントの垂れ。普段のリトラクション設定とは要求されるレベルが全く異なりました。ホットエンドを暖めるとノズルの先からプラスチックが垂れてきませんか?使ってない方のノズルが常時その状態になります。Slic3rには使用していないノズルの温度を下げるといった設定もあるにはありますが、やりすぎると今度は印刷時に最初からプラスチックが出てこない。んで、色々とキャリブレーションした結果がこちら。
なんでしょう、このガッカリ感。これでも割とうまくいった方なのです。
赤がキャリッジに載せたエクストルーダー、黒がBowdenタイプです。黒だけで印刷した場合はほとんど問題ないのですが、赤を使用中の待ち時間で垂れが起こり、色々と台無しになります。Bowdenの設定を極めるか、エクストルーダーを二つともキャリッジに載せられるデザインを考えるか…まだまだ先は長そうです。
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